目で見て商品を仕入れてみたい…. 初めて築地市場で仕入れる方へ
2018年 10月 移転が決まった「 築地市場 」
場所を豊洲に移すタイミングで、自ら市場へ行って仕入れをしてみようと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は「築地市場」を題材に市場での水産物の仕入れ方についてご紹介させて頂きます。
・そもそも築地市場とは
1935(昭和10)年に、日本橋の魚市場と京橋の青物市場が移転し開場された、
東京都中央区築地にある公設の卸売市場です。
広さについては約23ヘクタール。これは東京ドーム5つ分の廣さになります。
2013年での一日あたりの取扱数量は、水産物が1779トン鳥卵・漬物を含む青果物が1142トンにも及びます。
仲卸業者は以前、約1600店舗ほどあったが現在では700店舗未満になっており、
これはスーパー、飲食店などが生産者から直接仕入れる「産直」が増えたことにより減少しています。
ですが「仲卸業者」は食材のプロであり、長年の目利きからそのお店や業態に合った提案してもらえるので、仕入れ担当者の心強い相談者になってくれることは間違いないでしょう。
・営業時間や市場のお休みは
営業時間は 仲卸業者の方々が深夜~早朝の間でセリで仕入れを行い
だいたい5時頃に開店し、遅くとも6時にはほとんどのお店が営業を始めています。
6~8時まではピークタイムとなっており、各店の威勢の良い声が飛び交っています。
8時以降から落ち着き始めるので、初めて市場へ訪れる際はこの時間からがおすすめです
市場のお休みに関しては、基本的には日曜・祝日はお休みとなっています。
それ以外には臨時休業日が設けられており、祝日がある週などで変動があります。
詳しくは市場のカレンダーを参考に足を運んでみるのが良いでしょう。
東京都中央卸売市場「市場開場日・休業日年間カレンダー」
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/calendar/
・取り扱い商品目と各仲卸業者数
◆大物
日本橋魚河岸時代に始まる マグロ の総称。
関西や東北では「太物」という総称。
築地市場にある大物を扱う業者さんは200店舗以上
「生マグロ」を専門で扱う業者さんから「冷凍マグロ」を専門で扱う業者さん。
マグロと鮮魚など品目多く扱う業者さんなどさまざまです。
特にマグロをこだわって仕入れたい方は、お店の要望「生or冷凍」「価格重視ot質重視」「赤身多めor脂多め」
などを細かく相談していけば、お店にマッチした業者さんと繋がれるでしょう。
◆鮮魚
築地市場にある鮮魚を扱う業者さんは約180店舗。
幅広く日本近海でとれた「近海物」や遠方でとれた「遠洋物」を扱う業者さんや
ブリやカツオなど品目を絞った専門店などさまざまな業者さんがいます。
幅広い品目を1店舗で一括仕入れをするのか、品目によっては専門店に頼むのか。自店のスタイルに合った業者さんを見つけてみましょう。
◆特種物
築地市場で特種物を扱う業者さんも約180店舗
主に鮮度の高い高級な魚介類を扱っている業者さんになります。
中にはフグを専門で扱っている業者さんや活魚を扱う業者さんまでさまざまです。
お寿司やてんぷらに使う質のいい魚介類をお探しの方は、特種物店舗に足を運んではいかがでしょうか?
◆エビ
築地市場にあるエビを扱う業者さんは 約70店舗
エビだけでなく鮮魚など幅広い品目を取り揃えている業者さんから、エビを専門的に扱い 活きエビを扱っている業者さんまであります。
活きオマール海老などを扱っている業者さんまであります。
◆塩干物・合物
塩干物は 塩サバ・塩鮭など保蔵処理された魚のことを指し
合物は干物全般を指す。
これらの店舗は 塩干物 約70店舗 合物 約40店舗
築地市場で営業を行っている。
一概に干物といっても製法(天日干し、一夜干し、夜干し以外に、灰干しなど)に違いがあり、
風味も変わってくる。
スーパーのニーズに合わせたもの、飲食店のニーズに合わせたものなどさまざまあるので、まずは業者の方に相談するのが良いでしょう。
そのほかに タコ(約50店舗) 淡水魚(約19店舗) サケ・タラコ(約70店舗)
冷凍魚(約80店舗) 燻・加工品(約63店舗)などの店舗があります。
1店舗1店舗に特徴や強み、こだわりがあります。
お店のスタイルに合う業者さんを各商品ごとにすべて見つけ出すのは、簡単なことではありません。
良くお話をお聞きするのは「お店のウリとなる商品」の食材の仕入れ先を明確に決め、
それ以外の食材については市場を訪れたその時々で色々なお店を渡り歩くという仕入れ方です。
外せないお店のウリ商品を信頼のおける店舗で仕入れつつ、新しい業者さん開拓のためその他の食材を足を使って探すスタイルで自身の仕入れアンテナを育てているようです。
昨今では築地市場でも「いなせり」https://inaseri.net/ という仕入れサイトを立ち上げ、
ネットでも簡単に仕入れられるようになっていますが、このネットご時世だからこそ
・市場に足を運び ・業者さんと顔と顔を合わせ ・商品を目でみて 仕入れてみてはいかがでしょうか?